乳酸菌生成エキス研究室乳酸菌生成エキス研究室
冷えとり博士・川嶋朗先生のHotなお話
NO.4 ≪温活≫

「腸温活」のすすめ

冷やしてはいけないのは、内臓

皆さんは、冷たい飲み物や冷たい食べ物をとりすぎたり、お腹まわりを冷やしたりしていませんか?自分のお腹に手を当てて「冷たい」と感じる方は、内臓が冷えているかもしれません。
 体には冷やしてもいい部分と、冷やしてはいけない部分があります。人の体で最も冷やしてはいけない部分が内臓です。冷たい物のとりすぎや薄着などでお腹が冷えると、大切な臓器が集まっている内臓の血液の流れが悪くなります。そうすると、で各臓器や器官に血液(栄養分や酸素)がスムーズに運ばれなくなり、機能が低下します。それが悪化すると、体調不良、さらには病気にも発展しかねません。

お腹を冷やすリスク

お腹を冷やすと、どのような不調が生じるでしょうか。たとえば、よくお腹をこわす人がいます。「お腹をこわす」という言葉は、下痢をしたときに使われますが、これはお腹を冷やしたことで腸が冷え、機能が低下した為に下痢が起こるわけです。ただし、腸の機能低下により起こるのは下痢だけではありません。便秘に向かう人もいます。
 お腹を冷やすと、腸だけではなく肝臓のハタラキも悪くなります。体にとって有毒な物質を無害なものとする解毒力など、肝臓が担っているさまざまな機能が低下するため、健康維持にも悪影響を与えてしまうのです。

「腸温活」のすすめ

体の中でも大きな臓器である腸は、消化吸収や排泄など、私たちの健康に大切な7つの働きをしてくれています。なかでも、体の防衛システム「免疫」はとても重要です。
 腸には、全身の約7割もの免疫細胞が存在しています。私たちの体は、毎日多くのウイルスや病原菌などの異物から攻撃を受けていますが、その攻撃から身を守ってくれるのが、免疫細胞による免疫システムです。特に、免疫細胞が産出する抗体の一種で粘膜の表面に存在し、ウイルスや病原菌などの異物を攻撃するIgAは、特に腸、さらには喉に集まっており、食事や呼吸によって体外から侵入してくる異物から最前線で守ってくれています。
 ところが、内臓が冷えて血流が滞ると、外から入ってきた異物をやっつける免疫細胞の働きが鈍ります。つまり、体の免疫力が低下するのです。こうなると当然、風邪をはじめとする感染症にかかりやすくなります。
 ですから、免疫細胞を活性化するためにも、約7割の免疫細胞が存在する腸を温める「腸温活」は大切なことなのです。

腸体を温め、腸をととのえる

腸を冷やさないためにできること。それは、体の内と外から温めることです。
 まず、空調が効きすぎていたら、季節を問わず、腹巻や湯たんぽ等でまずはお腹周りを温めましょう。加えて、自力で熱を作り出せるよう、筋肉をつけることも大切です。スクワットなどの少しきついと感じる程度の運動を生活の中に取り入れましょう。
 さらに、食べ物は、4℃以下のものは避けてください。冷蔵庫から出したものはすぐに口にせず、室温に戻してから口にする習慣をつけるといいでしょう。また、野菜も加熱調理することがおすすめです。日頃サラダを食べる方も多いと思いますが、生野菜のサラダではなく、ブロッコリーなどの色の濃い野菜やカブなどの冬野菜を温め、温野菜サラダにして食べるとよいでしょう。
 食材選びも気にかけてみてください。特に冷えを抱える人には、体を温める食材がおすすめです。体を温める食材の原則は、色の濃いもの、水分が少ないもの、塩分が高いなどの味の濃いもの(ただし、摂りすぎには注意)、寒い時期や地域で獲れるものです。下記のコラムで体を温める代表的な食材を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
 また、キムチや納豆など、体を温め、腸内細菌をサポートする発酵食品も良いですね。腸内は善玉菌が増えると腸内の温度が上がります。食物繊維も善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やしますから、積極的にとるようにしてみてください。
 腸内環境をととのえるサプリメントもたくさん出ています。立場上、一般の医師より多くの健康食品に出会っているのですが、腸をととのえるにはエビデンスが充実している「乳酸菌生成エキス」はいい選択肢だと思います。

コラム ― 体を温める食べ食材

食材の中には、体を温めるものと冷やすものがあります。これらの食材をバランスよく食べることが本来の養生ですが、「冷え」を抱える人は積極的に体を温める食材を食べましょう。


体を温める食材

  • ◆ 色の濃いもの…赤身の肉、赤身の魚、カボチャ・ニンジンなどの緑黄色野菜、未精製の穀物、納豆、黒ゴマ、唐辛子など
  • ◆ 水分が少ないもの…チーズ、ドライフルーツなど
  • ◆ 塩分が高いもの…味噌、醤油、漬け物など
  • ◆ 寒い時期に獲れるもの…カブ、ニラ、ネギなど

体を冷やす食材

  • ◆ 色の薄いもの…大根、タケノコ、モヤシ、牛乳、ヨーグルト、豆腐など
  • ◆ 水分が多いもの…パイナップル、マンゴーなど
  • ◆ 暑い時期に獲れるもの…キュウリ、レタス、トマト、ナスなど

ただし、体を冷やす食材でも加熱すれば体を温める効果が期待できます。ぜひ取り入れてみてください。

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川嶋 朗(かわしま・あきら)先生

川嶋 朗(かわしま・あきら)先生

川嶋 朗(かわしま・あきら)先生

神奈川歯科大学特任教授。医学博士。自然治癒力を重視し、近代西洋医学と補完代替医療を組み合わせた「統合医療」の第一人者。西洋医学では内科、腎臓病、高血圧などが専門。冷え研究の第一人者でもあり、「自分の理想的な死とは何か」を考えるQOD(クオリティ・オブ・デス=死の質)の提唱者。『心もからだも「冷え」が万病のもと』(集英社新書)など著書多数。共同研究テーマ:腎臓病・自然医療。

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