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藤野武彦先生の脳疲労とプラズマローゲン

脳疲労は危険の合図

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おそらく3人に2人が「脳疲労」。早めの対応が大切!

脳の疲労は危険の合図 早く気づいて不調を遠ざけよう

寝つきが悪い、気持ちが暗くなる、イライラする、食事がおいしくない、体を使わないのにヘトヘト・・・。
当てはまったなら、「脳疲労」の可能性があります。
「脳疲労概念」の生みの親、藤野武彦先生(九州大学名誉教授、医学博士)に、そうなるしくみと改善方法を教えていただきました。

「脳疲労」とは

「脳疲労」とは

人間関係のストレスや仕事のしすぎ、またTVなどのあふれる情報で、今多くの人は脳が疲れています。この状態が長く続くと、脳が適応できなくなり、脳機能が低下してきます。これが「脳疲労」です。

※イメージ

「脳疲労」のしくみ

脳の機能としくみから、もう少し詳しく説明しましょう。

大脳新皮質は”知性を司る脳”といわれ、言語や論理、芸術を理解するなどの働きをしています。

一方、大脳旧皮質は”本能を司る脳”といわれ、喜怒哀楽や快・不快といった情動や食欲・睡眠欲など生理的な欲求の中枢を担っています。

通常は対等に働いて、バランスをとりながら生体をうまくコントロールしているのですが、外部から過剰なストレスや情報が入ってくると、狂いが生じ「脳疲労」が起こるのです。

たとえば、帰ろうとしたところに上司から追加の仕事を指示されたとします。すると”知性”の大脳新皮質は「我慢して仕事する」と判断します。

一方、”本能”の大脳旧皮質のほうは、「断わって帰りたい」と思うのですが、仕方なく新皮質の指示に従います。この日だけであれば、「我慢して仕事する」を選択しても何とかなるでしょう。ところが、同じようなストレスがその後も繰り返され、旧皮質からの「断わって帰りたい」という本能の欲求を無視し続けてしまうと、堪え忍んでいた旧皮質の不満が爆発。新皮質と旧皮質の対等な関係が崩壊し、反目しあうようになります。

こうなると大脳の下に位置する間脳(自律神経の中枢)はそれぞれから正反対の指令を受けることになり、どう対応していいかわからず、摂食異常など行動に狂いが生じるようになります。この三者の関係性の破綻が「脳疲労」の状態です。(図1参照)  パソコンやスマートフォンの使用などにより、この「脳疲労」のリスクは さらに高まっています。

図1

多くの病気は「脳疲労」から発症する

筋肉疲労であれば早めに自覚できますが、複雑な組織である脳の場合、「脳疲労」を早期に感じることができません。それがやがて不調や病気に向かわせてしまうのです。つまり、ストレス過剰が脳を疲れさせ、五感の乱れを呼ぶ。感覚の物差しともいえる五感が乱れると生活が乱れ、行動異常(過食など)がおこる。それが最終的に病気につながる一連の流れです。もう一つが認知異常から始まる流れで、うつ病は、この重症型です。最重症型になると認知症に進むこともあります。(図2参照)

つまり、多くの病気は過剰なストレスや情報過多から起こる「脳疲労」により発症します。

図2

「脳疲労」を解消する方法

多くの患者さんと向き合う中で、「脳疲労」を改善するメソッドとして編み出したのが「BOOCS」療法です。Brain Oriented Oneself Control System(脳をめざした自己調整システム)の頭文字から取っています。不調や病気の根本原因である「脳疲労」が解消できれば、結果的に快方に向かうはずですから、根本までさかのぼってその対処から始めようという考え方です。具体的には3つの原則が柱になっています。

【BOOCS 3原則】

第1原則 
 たとえ健康に良いこと(運動など)や健康に良い食べ物でも、嫌であれば決してしない、食べない。

第2原則 
 たとえ健康に悪いこと(食べ物)でも、好きでたまらないか、やめられないなら、とりあえずそのまま続ける。(食べる)

第3原則 
 健康によくて、しかも自分がとても好きなこと(食べ物)を1つでもいいから始める。(食べ始める)

たとえば、身体に悪いタバコやダイエット中のケーキも止められなければやめなくても最初はかまいません。なぜならケーキや喫煙の「快」(心地よさ)で、日々の猛毒を消して、脳を守っているのです。これらを禁止してしまうともっと大きなストレスになってしまうからです。

とりあえずそのまま。腸もととのえる。

脳疲労は、主にストレス過剰や情報過多な環境によって引き起こされます。もちろん環境を変えられれば一番いいのですが、残念ながらそうもいきません。そこで人間関係や仕事関係など、どうにもならないことは、「とりあえずそのまま」にして、自分が心地よいこと、楽しいことを考えましょう。それが、脳の元気につながります。環境を変えるのではなく、脳を過剰なストレスから解放し、脳を元気にすることによって現状を変えていくのです。

加えて、自分自身や他者を客観視できる力を持つことや、嫌なことに遭遇した時にはその場を離れるなどして負の思いを断つことも大切です。

また脳が疲れると便秘や下痢、栄養吸収も低下しますから、腸をととのえることも大切。腸と脳の関係性をただせば、「脳疲労」はより早く解消、良い流れになることでしょう。

自分の「脳疲労」度を知ろう

診療や研究、講演会に執筆活動・・・、 多忙な日々を送られている藤野武彦先生。
ご自身は、どのように「脳疲労」を回避されていらっしゃるのでしょうか? お聞きしてみました。

土日も休んでいませんので、私の情報過多はかなりでしょう。それなのになぜ、「脳疲労」にならないかというと、やりたいことをやっているからです。患者さんのお役に立つ診療をさせていただいているという喜びや、これをやったらどうなるんだろう?という発見の喜びがある研究は、好きで自己選択したもので、させられていることじゃないからです。ただ、好きなことでも処理できないほどの情報量が一度に来てしまうと、さすがにあふれて単に流れていくだけの「脳フロー」(オーバーフロー)となってしまいます。その時には志をともにしているチームスタッフに、仕事の分担をお願いしています。(藤野)

「脳疲労」度チェックリスト

次のチェックリストで、どのぐらい「脳疲労」になっているか知ることができます。

「脳疲労」度チェックリスト

途中であるいは朝早く目が覚める

寝付きが悪い

食事がおいしくない

便秘する

体を使わないのにヘトヘト

気持ちが暗くなる

希望が持てない

考えがまとまらない

イライラする

不安である

自分は価値がない人間だと思う

11項目のうち、「毎日ある」が1つでもあれば医師の手助けが必要な場合が多く、現在は3人に2人が該当される方が多いのではないでしょうか。それほど今の日本人の脳は疲れています。

認知症も重い「脳疲労」ですが、大丈夫。「プラズマローゲン」があります。

過剰なストレスを受け、脳が頑張るほど大量に消費されてしまう体内物質があります。リン脂質の一種である”プラズマローゲン”です。 この物質は、ストレスで脳細胞に酸化や劣化が起こるのを、最初に身代わりとなって動いてくれる因子です。「脳疲労」の最も重症型の病気が認知症ですが、健康な人と認知症の人とでは、この”プラズマローゲン”量(脳内)に差があることがわかっています。この”プラズマローゲン”は、健康な人であれば、自力回復できますが、「脳疲労」の激しい認知症になると自力ではつくりにくくなります。 しかし、新発見で、外から補うことで対策が可能になりました。この”プラズマローゲン”の他に類をみないところは、認知症の患者さんに笑顔や気遣いが戻ってくるというところ。「迷惑をかけてごめんね」と介護している家族に伝えられるようになり、ご本人はもちろん周囲の皆さんもハッピーになるのです。「認知症になったらどうしよう」と心配されている方も多いと思いますが、不安は「脳疲労」の大敵です。「なったらプラズマローゲンを飲めばいいや」、これくらいおおらかでいることが大切です。(藤野)

藤野武彦医師

1938年福岡県生まれ。九州大学名誉教授、医学博士、内科医・循環器専門医、医療法人社団ブックス理事長、レオロジー機能食品研究所代表取締役、一般社団法人プラズマローゲン研究会臨床研究部代表、一般社団法人BOOCSサイエンス代表理事。九州大学医学部卒業後、九州大学第一内科講師、九州大学健康科学センター教授を経て現職。27年前に脳疲労概念とその具体的治療法であるBOOCS理論を提唱。肥満や糖尿病などの生活習慣病やうつ状態に対する医学的有用性を実証して来た。また近年、脳疲労と脳内プラズマローゲンとの関係に着目し、重傷脳疲労と考えられる認知症に対する有用性を実証しつつある。一般向け著書には『認知症はもう不治の病ではない』(ブックマン社)『BOOCSダイエット』(朝日文庫)『脳の疲れをとれば、病気は治る!“脳疲労時代”の健康革命』(PHP文庫)その他多数。

『すこやかメッセージNo.57』(2016年春号)より転載